後遺障害がのこったら?

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自賠責保険の後遺障害補償は、損害保険料率算出機構の損害調査をもとに、4000万円を上限として支給されますが、後遺障害を負った被害者の損失は、自賠責の損害補償だけで解決できることではありません。とくに脳の損傷によって重度の後遺症を負うと、治療そのものも大変ですが、常時介護が必要となり、家族の生活にも大きな負担をまねいてしまいます。

そこで交通事故によって一般の病院では対応が困難な重度の後遺症を負った方々の社会復帰と専門的な治療と看護を行うために、自動車事故対策機構において療護センターという専門の医療施設を設置しています。

現在全国には4箇所の療護センターと、医療法人医仁会中村記念病院、特定医療法人雪ノ聖母会聖マリア病院に、療護施設機能を有する病床が設置されています。

療護センターに入院できる方は、自動車事故による脳損傷によって重度の後遺障害が残り、治療と常時の介護を必要とする方のうち、一定の要件に該当する方に限られてきますが、専門的な治療と看護が受けられることはもちろん、社会復帰の可能性にも期待が持てるという点で、重い障害を負った方とその家族にとっては望ましい環境と言えるでしょう。

なお療護センターの特徴は、以下の3つに集約されます。

1.高度先進医療機器の導入と活用
MRI、CT、PET等の高度先進医療機器を使用した検査情報から、通常なら容易に判断できない意識の兆候などから、その患者に合った治療・リハビリを行なっています。

2.ワンフロア病棟システム
病床をワンフロア集中型にし、仕切りなども極力取り払うことで、すべてのベッドから窓の外の様子や日照・天候の変化を感じ取れるようにしています。またワンフロア病床システムには、患者をきめ細かく観察し対応できるという看護上のメリットもあります。

3.プライマリー・ナーシング方式の導入
プライマリー・ナーシングシステムとは、ひとりの看護師が、同じ患者を入院から退院まで継続して受け持ち、患者への責任と回復成果を明確にする看護方式です。

■自動車事故対策機構の介護料の支給

自動車事故対策機構では、自動車事故が原因で、脳、脊髄又は胸腹部臓器を損傷し、重度の後遺障害になった方のうち、移動、食事及び排泄など日常生活動作について常時又は随時の介護が必要な状態の方への経済的支援として介護料を支給しています。

後遺障害の種別は、最重度の特Ⅰ種、常時要介護のⅠ種、随時要介護のⅡ種の3つに分かれ、月単位で介護に要した自己負担した額に応じ、受給資格の種別ごとに定められた上限額の範囲内で月額支給されます。

介護料の下限額と上限額は以下の通りです。

・特Ⅰ種 68440円(下限額)~136880円(上限額)
・Ⅱ種  58570円(下限額)~108000円(上限額)
・Ⅲ種  29290円(下限額)~ 54000円(上限額)

また介護料の受給が認められている患者さんは、国土交通省が指定する短期入院協力病院を利用して、医師による診察、検査及び経過観察を受けることや、自宅で介護する家族の方が、専門家から病状観察や入浴、食事など在宅介護技術の方法について指導を受けることができるようになっています(1回の入院は原則2日以上14日以内とする)。

また自動車事故対策機構からは、協力病院やその他医療機関等に短期入院した際、患者移送費、室料差額負担金や食事負担金を自己負担した額の一部についての助成も行なっています。

短期入院協力病院の数は、地域によって差がありますので、制度としての有効度は住所地によって違いがありますが、協力病院のソーシャルワーカーが窓口となりますので活用できる場合は問い合わせてみると良いでしょう。

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